南国スパイス ピパーチ香るキッチンから
シナモンのような甘みにペッパー系の辛み、柑橘系のさわやかな香も織り込まれた複雑な風味を持つピパーチは、沖縄の食に華を添えるとっておきのスパイスです。
ユニークでありながら、甘みが重なるチョコレートや、柑橘系の香りが近しいゆずの皮、ペッパー系の辛味とマッチする塩など、さまざまな食材とのマリアージュが楽しめます。石垣島出身の料理人 池城安信さんは、生まれ育った島の石垣に自生しているこのピパーチの魅力を、これまでにない料理を通して伝える人。家庭科の教師で料理の研究に熱心な安信さんの母は、「ピパーチは世界に通じるスパイス」とよく話しているのだそうです。
「子どもの頃から身近だったピパーチが、沖縄本島ですらあまり知られていないことに驚きました。『ジューシー(炊き込みごはん)に入れるからとってきて』と台所にいる母に言われて葉っぱを摘みに行ったり、とんかつやお刺身にもピパーチの実を粉にしたスパイスをつけて食べていました。」
LOCAL GOODs では、
ピパーチキッチンがピパーチの美味しさを目いっぱい引き出した
クラフトフードをお届けしています。
- ピパーチかけるチーズケーキ南大東島のラム酒コルコル香るラムチョコチーズケーキ
- ピパーチコーラ
- 県産和牛のピパーチアンダンスー
- ピパーチアグーソーセージ
- セラードコーヒーピパーチキッチン オリジナルブレンド(豆)
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セソコマサユキ -
編集者。2012年に「手紙社」から独立して自身のルーツである沖縄に移住。紙、web等の媒体を問わず、企画、編集、執筆、写真などを通して沖縄の魅力を独自の世界観で表現し、発信している。観光情報サイト「沖縄CLIP」編集長。著書に「あたらしい沖縄旅行」「石垣 宮古 ストーリーのある島旅案内」など。沖縄を楽しむちいさなメディア&コミュニティ「SQUA」主宰。
安信さんが妻のマリヤさんと那覇の中心地に開いた食堂「ピパーチキッチン」のテーブルには、ピパーチの風味がお肉やお魚と相まって、思わずため息がもれるほど美味しいお食事が並びます。マリヤさんがお店にいると、常連さんから次々に「マリヤちゃん、久しぶり。髪が短くなったね!」と声がかかり、小さな立ち話に。街のひとびとに愛されていることが伝わります。ここにしかない味を求めて通う常連さんでにぎわう店内は、いつもいい香りとあたたかな空気でいっぱい。
「ピパーチは、はじめは青く、熟してくると赤くなります。赤い完熟ピパーチのほうが香りがふくよかで、青ピパーチはスパイスというよりハーブに近い感じ。僕は両方好きですが、お店では赤のみを使っています。農家さんにとっては、赤くなったものだけを順番に収穫するので手間がかかるのですが、あえてそうしてもらっています。」
決まった農家さんから届いた赤い完熟ピパーチは、お店で蒸してからオーブンで低温乾燥させ、ミルにかけて粉に。農家さんから受け取った食材のバトンを、料理人の発想と手仕事で美味しい食事へとつなげています。
「お肉は決まったお肉やさんから仕入れ、魚は2日に1度ほど、泊いゆまち(沖縄鮮魚卸流通協同組合)で買い出しています。野菜は、ファーマーズマーケットで仕入れたり、農家さんに届けてもらったり。農家さんは畑の先生です。こんなこと言うとかっこつけてるみたいですが、食材を提供してくれる人は業者じゃなくて仲間や先生です。」(安信さん)
ピパーチやフルーツ、お野菜の栽培に着手
安信さんは今年、畑を借りてピパーチや薬草ハーブ、フルーツなどの栽培を始めました。
ピパーチはひとつひとつの実がとても小さく、一粒から採れる量はごくわずか。担い手が年々少なくなり、手に入りづらくなっている中、大切な食文化を守るために自ら栽培に乗り出したのです。また、安信さんは畑を始めた理由を次のようにも話します。
「僕は料理をするとき『感じろ!』と自分に言い聞かせるのですが、知識がなければ感じようがない部分が多々あります。ピパーチのことも、野菜や果物のことも、土のことから深く細やかに知りたいと思って始めました。」
12月のある日、定番メニュー「県産魚のソテー」には沖縄食材ターンム(田芋)のソースがかかっていました。もったりとクリーミーな薄紫色のソースとピリリと香るピパーチが、絶妙なバランスでプリプリジューシーな白身魚を引き立てる一皿。このソースの着想は、「親戚に、田芋が好きなおばあちゃんがいるんですが、コロナ禍で会えていないなあと思い出しているうちに、ふっとアイデアが浮かんで。それからすぐにできました」というものです。
五感や肌感覚で感じたものごとからオリジナルの味を生み出す安信さんが、畑で直に土や植物、風や太陽に触れることは、まだ誰も食べたことのない新しい味につながっているのだろうと思います。
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【当ストア限定(※)】
2021年1月31日まで予約受付中
・お届け期間2021年2月5日〜2月14日ピパーチかけるチーズケーキ南大東島のラム酒コルコル香るラムチョコチーズケーキ
3,500yen
島のスパイス ピパーチの香りと味わいを広げつづけるピパーチキッチンが、FOOD Pickerセソコマサユキさんと一緒にピパーチをふりかけていただくオリジナルチーズケーキをつくりました。
ピパーチキッチンを初めて知るかたは、こちらをお読みください。
季節ごとに、そのときどきで一番美味しい沖縄食材を使ってお届けしていくはじまりのひとしなは、シマヤマヒハツのラム酒漬けをアクセントに使ったチョコレートチーズケーキ。別添えのピパーチをふりかけていただきます。ピパーチキッチンしかつくれないチーズケーキを、あなたのちょっとぜいたくなひとときや、大切な人へのバレンタインの贈り物にお届けします。
購入する安信さんは、「チーズケーキは、自分自身が一番好きなスイーツ。島の食材のいろいろな美味しさを優しく包み込んでくれる」と、以前からお店のデザートにオリジナルチーズケーキをつくってきました。
今回、LOCAL GOODs のPickerセソコマサユキさんと、チーズケーキにピパーチをふりかけていただく楽しみ方を着想し、ピパーチの甘みとマッチするチョコレートをブレンドしたチョコレートチーズケーキを開発。
チョコレートチーズケーキの甘くしっとりとした食感に、プチプチの歯ごたえを添えるシマヤマヒハツは、生まれ育った石垣島で、通学路にも生えていた身近な木の実です。美味しくて手がとまらず、気づけば指が真っ赤になるまで摘み食べしていたそう。これを南大東島の地ラム「コルコル」に漬け、大人の香りと味わいを加えています。
お店で一台一台手づくりするため、たくさんはつくれませんが、ワンシーズンに60台のとっておきをお届けします。
販売期間中に限り、ピパーチキッチン実店舗で直接のご購入は可能です。販売期間および在庫については、店頭にてお尋ねください。
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ピパーチコーラ
島のスパイス ピパーチの香りと味わいを広げつづけるピパーチキッチンが、沖縄の亜熱帯ワールドに生息するパワフルな植物たちをブレンドしたコーラの原液です。
ピパーチキッチンを初めて知るかたは、こちらをお読みください。
ピパーチはもちろん、月桃やシークァーサーなど沖縄の素材と数種類のスパイスをたっぷり煮詰めた「飲んで健康になるコーラ」
炭酸水や水でうすめて、毎日の一服に。
牛乳や豆乳、お酒で割ってもおいしい。
冬はホットコーラでおいしくあたたまる。 -
県産和牛のピパーチアンダンスー
920yen
島のスパイス ピパーチの香りと味わいを広げつづけるピパーチキッチンがつくった、おはしが止まらない油味噌-アンダンスーです。
ピパーチキッチンを初めて知るかたは、こちらをお読みください。
「ピパーチが香り立つアンダンスーをつくりたい」という発想から始まったオリジナルの味づくり。一般的なアンダンスーは豚肉でつくりますが、ピパーチと合うのは味の濃い牛肉でした。原材料は、お肉になるまで沖縄で育った県産和牛とピパーチ、味噌と伊江島産の黒糖だけ。シンプルだけに、個々の素材の味が生きています。
貴重な完熟ピパーチをふんだんに。隠し味ではなく、しっかりピパーチです。
ほかほかご飯やお豆腐のほか、野菜炒めやスープの隠し味に溶かし入れても○。
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油と合うナスやズッキーニ、ナーベラーなどとの相性は抜群です。 -
ピパーチアグーソーセージ
1,340yen
島のスパイス ピパーチの香りと味わいを広げつづけるピパーチキッチンがつくった、1本でお腹が満ちるソーセージです。
ピパーチキッチンを初めて知るかたは、こちらをお読みください。
味のよさで名高い沖縄の在来豚アグーの豚肉に、ピパーチの実と葉を合わせたソーセージ。コーレーグース-唐辛子を漬けた泡盛-を入れた辛いバージョンもあります。
フライパンでこんがり焼いてぶつ切りにすると、肉汁とピパーチの香りが溢れ出ます。そのまま食べても、ピザやナポリタンの具材にしても。お食事に、お酒のおつまみにお楽しみください。
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セラードコーヒーピパーチキッチン オリジナルブレンド(豆)
1,430yen
創業30年のコーヒー専門会社沖縄セラードコーヒーがピパーチキッチンと一緒につくったオリジナルブレンドのコーヒー豆です。
ピパーチキッチンを初めて知るかたは、こちらをお読みください。
安信さんが自分で焙煎していた味に近い、酸味を抑えてまろやかなコクを出した中深煎り。尖りがなくて飲みやすく、それでいてどっしりとコーヒーの味を楽しめるブレンドです。
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セソコマサユキ -
編集者。2012年に「手紙社」から独立して自身のルーツである沖縄に移住。紙、web等の媒体を問わず、企画、編集、執筆、写真などを通して沖縄の魅力を独自の世界観で表現し、発信している。観光情報サイト「沖縄CLIP」編集長。著書に「あたらしい沖縄旅行」「石垣 宮古 ストーリーのある島旅案内」など。沖縄を楽しむちいさなメディア&コミュニティ「SQUA」主宰。